機械刃物や工業用刃物のオーダーメイドはクオンカット。切れ味・耐久性に優れる薄刃小型機械刃物を短納期でお届けします。関の100年機械刃物企業 株式会社エドランド工業  0575-22-0451 機械刃物や工業用刃物のオーダーメイドはクオンカット。切れ味・耐久性に優れる薄刃小型機械刃物を短納期でお届けします。機械刃物のお取引について

博学こだわり倶楽部(2014)『日本刀 妖しい魅力にハマる本』河出書房新社.

   

・備忘録

日本刀の基礎が文庫本1冊で学べるかな
と思って読んでみたが、
意外と日本刀のよもやま話が盛り沢山な本。

以下、参考になった文章を抜粋します。

P28
神聖な焼き入れの日には、刀匠は神棚を清めて柏手をうち、成功を祈るのだ。
また、「焼き船」と呼ばれる、焼いた刀身を水(ぬるま湯)で冷やすための
檜の水槽は、縁起をかついで、”割れない”数字「七尺」であつらえる。

このぬるま湯の温度が非常に重要で、一子相伝の秘密とされている。
師匠の目を盗んで湯船に手を入れ、その適温を盗んだ弟子が、
師匠に腕を切り落とされたという話も伝えられている。

P32
刺身包丁を向こうからスーッと引くと、角が立ったきれいな刺身ができる。
この「引く」動作が、ものを切るときには不可欠だ。

日本刀も同様に、「引く」ことで斬る。
そして、斬る動作は、肩を中心とした「円運動」となり、弧を描く。
その弧に合わせた反りが入ることで、引く動作がよりスムーズになるのである。

P47
日本列島を創造したイザナギノミコト、イザナミノミコト夫婦は、
さまざまな神を生み出した。ところが、火の神ヒノカグツチを出産する際、
妻イザナミは、炎をまとって生まれ出たわが子に焼かれ、命を落とす。
夫イザナギは激怒し、ヒノカグツチの首を搔き切った。
その、わが子の首をはねた剣こそが、「十束剣」である。

このときに流れ出たヒノカグツチの血から、
火の神、岩石の神、雷の神、水の神が生まれたとされている。
これらの神々が、剣を作るために必要な要素を反映している。
作刀には欠かせない、「火」「水」、
そして「岩石(鉄鉱石)」を砕き砂鉄となす「雷」。
十束剣によるイザナギの子殺しは、まるで日本刀誕生の
きっかけを暗示しているかのようである。

P83
斉藤道三は、自分の槍をとても大切に扱っていた。
長さのある槍は、軒下に置いておくのが普通だったが、
湿気で腐ったり錆びたりしないよう、節をくり貫いた竹に入れ、
布袋に包んでから軒下で保管していた。

P143
美濃伝とは、
鎌倉時代中期以降、美濃地方で発生した刀匠集団による鍛法。
室町時代の戦国期に急速に発展した。
今の岐阜県の関市で鍛刀されたので「関物」とも呼ばれている。
戦国武将の多くが関鍛冶の得意先となり、繁栄した。
数打物の傾向があり名刀が少ないと言われるが、斬れ味が良く実用的。

姿は実用的な反りの少ないものが見られる。
地肌は板目に杢目、流れ柾目を交え、沸が白く輝いて見える。
刃文は互の目を主体とし、尖り刃を交えて高低に変化がつく場合が多い。
帽子は乱れ込んで丸く返り、地蔵帽子と呼ばれるものが見られる。

P167
本阿弥家の光悦は、人を斬ることを目的とした刀は研がない主義だった。
「日本の刀は人を斬るために鍛えられているのではない。
御代を鎮め、世を護りたまわんがために、悪を払い、
魔を追うところの降魔の剣であり、また、人の道を研き、
人の上に立つ者が自らを誡め、自らを持するために、腰に帯びる侍の魂である」
というのがその理由だそうだ。

現代も、ただ斬れることだけを目的にした研ぎ師はいない。
「それぞれの刀がもつ魅力を最大限に表すこと、刀剣に宿る精神や魂を感じ、
理解し、後世に伝え遺していくことが自分の役割だ」
というベテラン研ぎ師の言葉が、それを物語っている。

・前文

かつての日本人にとって、日本刀はなくてはならないものだった。
武器として携え、美術品として鑑賞し、神として祀り、
権威の象徴として崇めてきた。現代でもなお愛好家は多く、
さらに、歴史ブームもあって、日本刀に興味を持つ若者も増えている。

ところが、日本刀には、見どころ、語りどころがあまりにも多すぎる。
刃文はどうだ、反りはこうだ、地鉄の働きはどうなっている?
時代は?産地は?・・・。
「日本刀の面白さはここにある」とも言うが、
じっさいこれらを本格的に学ぼうと思ったら、一朝一夕にはいかない。

そこで、まずは日本刀を知る”入門書”として、本書をご覧いただきたい。

日本刀はなぜ斬れるのか、どのくらい斬れるのか、
反りは何のためについているのか、といった基礎知識や、
構造、特徴、鑑賞のポイントをイラストと共に解説。
さらに、「天下五剣」「天下三名槍」と呼ばれる名刀や、
戦国武将、維新の志士の愛刀とそれにまつわる逸話や裏話も多数取り上げた。

トンボが鋒に止まった瞬間に、はらりと真っ二つに切れたことから
その名が付けられた「蜻蛉切」、稲荷明神の氏神が作った「小狐丸」、
にっこり微笑む幽霊を斬った「にっかり青江」。

織田信長が森蘭丸に贈った「不動行光」、
源氏の勝利を導いた、源頼朝の「髭切」、
勝海舟の「抜かない刀」、
近藤勇の”ニセ”「虎徹」。

これら、刀匠たちの手によって生み出された日本刀は、
多くの武将たちの手を経て、今なお輝き続けている。

その一振り一振りに隠された歴史ドラマを楽しみながら、
日本刀の魅力を感じていただきたい。

・目次

1.日本刀を知る

1-1.世界最強の刃物といわれる日本刀.
1-2.日本刀は、どれくらい斬れるのか
1-3.「呼び名」はどのようにつけられるのか
1-4.日本刀の各部の名称
1-5.「刀」と「太刀」
1-6.日本刀の種類
1-7.「折れず曲がらずよく斬れる」といわれる理由
1-8.日本刀に命を吹き込む「焼き入れ」
1-9.刀装小道具(打刀)の名称と各部の役割
1-10.日本刀の「反り」は何のためについているのか
1-11.日本刀の重さはどのくらい?
1-12.戦でいちばん役に立ったのは、やっぱり日本刀?
1-13.戦に不向きなら、日本刀は何の役に立ったのか?
1-14.百人斬りは可能か?
1-15.当時はいくらくらいしたのか?

2.名刀秘話

2-1.天下五剣.
2-1-1.最古の刀匠の最高傑作.童子切安鋼[どうじぎりやすつな]
2-1-2.邪気祓いの守護刀.鬼丸国綱[おにまるくにつな]
2-1-3.気品に満ちた美刀.三日月宗近[みかづきむねちか]
2-1-4.病魔を祓う治癒の太刀.大典太光世[おおでんたみつよ]
2-1-5.世を鎮める善の力.数珠丸恒次[じゅずまるつねつぐ]
2-2.天下三名槍
2-2-1.天下無敵の大豪槍.御手杵[おてぎね]
2-2-2.黒部節に唄われる至高の槍.日本号[にほんごう]
2-2-3.見目美しく、斬れる槍.蜻蛉切[とんぼきり]
2-3.神代三剣
2-3-1.神が振るった最古の刀剣.十束剣[とつかのつるぎ]
2-3-2.天皇家に伝わる神器の一つ.天叢雲剣[あめのむらくものつるぎ]
2-3-3.神から贈られた剣.布都御魂[ふつのみたま]
2-4その他の名刀
2-4-1.見る者を圧倒する名刀中の名刀.大包平[おおかねひら]
2-4-2.日本刀剣史を変えた最初の湾刀.小烏丸[こがらすまる]
2-4-3.漆黒の拵、鬼気迫る大太刀.獅子王[ししおう]
2-4-4.天下五剣と並び称される名刀.二つ銘則宗[ふたつめいのりむね]
2-4-5.平安の気品漂う美刀.大般若長光[だいはんにゃながみつ]
2-4-6.正宗銘の入った貴重な短刀.不動正宗[ふどうまさむね]
2-4-7.薩摩の名匠の失敗作.笹貫[ささぬき]
2-4-8.斬れ味だけの不器用な名刀.同田貫[どうたぬき]
2-4-9.龍の彫り物が睨みをきかす.小龍景光[こりゅうかげみつ]
2-4-10.聖徳太子が奉納した.丙子椒林剣[へいししょうりんけん]
2-4-11.キラリ星座が光る.七星剣[しちせいけん]
2-4-12.琉球が誇る三振りの名刀.千代金丸・治金丸・北谷菜切

3.武将の愛刀

3-1.坂上田村麻呂・・・豪壮な武人にふさわしい.黒漆大刀[くろうるしのたち]
3-2.藤原秀郷・・・将門を討った刀もこのタイプか.毛抜形太刀[けぬきがたたち].
3-3.源頼朝・・・源氏の勝利を導いた.髭切[ひげきり]
3-4.源義経・・・不思議な縁で結ばれた兄弟刀.薄緑[うすみどり]
3-5.源義経・・・主の最期を見守った.今剣[いまのつるぎ]
3-6.弁慶・・・この荒法師にしか操れない.岩融[いわとおし]
3-7.新田義貞・・・神をも味方につけた剣.海神に捧げた剣
3-8.足利尊氏・・・数々の権力者の手を渡った名刀.骨喰藤四郎[ほねばみとうしろう]
3-9.北条早雲・・・和睦の証しとなった太刀.日光一文字[にっこういちもんじ]
3-10.毛利元就・・・厳島神社に野心を誓う.福岡一文字[ふくおかいちもんじ]
3-11.斉藤道三・・・竹竿一本からの下剋上.槍[やり]
3-12.上杉謙信・・・謙信から佐竹家へと渡ったその後.典厩割国宗[てんきゅうわりくにむね]
3-13.織田信長・・・信長お気に入り三品の一つ.不動行光[ふどうゆきみつ]
3-14.豊臣秀吉・・・己の権威を象徴する名刀.一期一振[いちごひとふり]
3-15.石田三成・・・はるか昔の斬撃に耐えた証し.石田切込正宗[いしだきりこみまさむね]
3-16.伊達正宗・・・見栄から生まれた曰く付きの脇差.振分髪[ふりわけがみ]
3-17.徳川家康・・・謎多き無銘の名刀.ソハヤノツルギ
3-18.真田幸村・・・徳川家を呪う妖刀.千子村正[せんじむらまさ]
3-19.直江兼続・・・義を貫いた男の愛刀とは.備前長船兼光[びぜんおさふねかねみつ]
3-20.上杉景勝・・・本物と贋作を見分ける細工とは.竹股兼光[たけまたかねみつ]
3-21.佐々木小次郎・・・なぜこの名前がつけられた?.物干し竿[ものほしざお]
3-22.宮本武蔵・・・小次郎相手にどんな刀で戦った?.櫂を削って作った木刀
3-23.細川幽斎・・・雅な異名が付いたわけ.古今伝授の太刀[こきんでんじゅのたち]
3-24.近藤勇・・・本物か、偽物か.長曽祢虎徹[ながそねこてつ]
3-25.土方歳三・・・鬼の副長が好んだものは?.和泉守兼定[いずみのかみかねさだ]
3-26.沖田総司・・・剣術の天才はどんな刀を使った?.加賀清光[かがきよみつ]
3-27.坂本龍馬・・・最期の瞬間まで寄りそった愛刀.陸奥守吉行[むつのかみよしゆき]
3-28.岡田以蔵・・・その意外な出所とは.肥前忠広[ひぜんただひろ]
3-29.勝海舟・・・”抜かない刀”といわれるわけ.水心子正秀[すいしんしまさひで]

○日本刀一問一答・其の一

・日本刀と銃弾、どっちが強い?
・貧しい武士は、どんな日本刀を持っていた?
・左利きの武士は、右腰に日本刀を差していた?
・白いポンポンを刃にあてているのは何をしている?
・『ルパン三世』の石川五エ門の日本刀の鞘は、なぜ地味?
・『るろうに剣心』に登場する「逆刃刀」にモデルはあるの?
・軍刀って何?
・「安心しろ。峰打ちじゃ」というが、峰打ちなら本当に安心?

4.日本刀を鑑賞する

4-1.刀身の「形」を鑑賞する..
4-2.時代による分類、地域による分類
4-3.地肌を鑑賞する
4-4.刃文を鑑賞する
4-5.日本刀鑑賞の心得
4-6.日本刀を鑑賞する
4-7.作者を当てる「入札鑑定」
4-8.武士の作法
4-9.サラリと使いたい「鑑賞用語」
4-10.「五箇伝」それぞれの特徴

5.日本刀と日本人

5-1.誕生祝に贈る「来国次」
5-2.徳川将軍家に伝わる「疱瘡正宗」
5-3.塩の恩に報いて贈られた「弘」の太刀
5-4.信長が分捕った「義元左文字」
5-5.出征する息子に贈った太刀
5-6.亡き人に贈る「枕刀」
5-7.人柄も腕も天下一品だった「正宗」
5-8.斬れ味のみを追求した「村正」
5-9.刀好きが高じて自ら槌を振った「後鳥羽上皇」
5-10.伝説の刀匠「天国」
5-11.多くの国宝を残した刀匠たち
5-12.刀を磨いて人の道を磨く、一流研ぎ師
5-13.日本刀に魅せられた西洋の刀匠たち

○日本刀一問一答・其の二

・明治維新の廃刀令で押収された刀剣類の行方は?
・戦後、アメリカに押収された日本刀はどうなった?
・今も日本刀は作られているの?
・蔵から日本刀が出てきたらどうする?
・刀匠になりたい
・刀匠の修行って厳しいの?

6.怪刀伝説

6-1.不気味に笑う幽霊を斬った!・・・にっかり青江[にっかりあおえ]
6-2.夢に現れる美しい姫君は・・・.姫鶴一文字[ひめづるいちもんじ]
6-3.宗近の前に、気高き童子が現れて・・・.小狐丸[こぎつねまる]
6-4.疵だらけの太刀を無数の蛍が取り囲むと・・・蛍丸[ほたるまる]
6-5.主人の腹だけは決して斬らない・・・薬研藤四郎[やげんとうしろう]
6-6.いったい何を圧し切った?・・・圧し切り長谷部[へしきりはせべ]
6-7.スルッと鞘から抜け出して・・・抜丸[ぬけまる]
6-8.徳川家を祟る妖刀・・・村正[むらまさ]
6-9.怪しい刀鍛冶の正体は・・・百足丸[むかでまる]
6-10.化け物を斬った英雄の太刀・・・祖師野丸[そしのまる]
6-11.敵も味方も震え上がる・・・真柄太郎太刀・次郎太刀[まがらたろうたち・じろうたち]
6-12.温泉を掘り出した・・・蝉丸[せみまる]
6-13.恐ろしげな異名の意味は・・・人間無骨[にんげんむこつ]
6-14.酒瓶が、みごと真っ二つ!・・・瓶割[かめわり]
6-15.文殊菩薩が注文した・・・手掻包永[てがいかねなが]
6-16.名刀展で起きた不可解な出来事・・・袖の雪[そでのゆき]
6-17.主人のもとへ帰りたい・・・蛇丸[へびまる]
6-18.人を斬って人気急上昇!・・・一竿子忠綱[いっかんしただつな]
6-19.斬られた大工が呪いを込めた・・・鉋切長光[かんなきりながみつ]
6-20.刀にうるさい剣術家も認めた脇差・・・鬼の包丁[おにのほうちょう]
6-21.実戦にはまるで使えない・・・破邪の御太刀[はじゃのおんたち]
6-22.実在しないが、人気の太刀・・・村雨[むらさめ]
6-23.おどろおどろしい「号」あれこれ

 

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