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刀から学ぶ人の心 (2018年11月 澤田)

   

皆さん時代劇やドラマなどに登場する日本刀がどのように出来ているのかご存知でしょうか?

折れにくく、曲がりにくく、良く斬れると言われる日本刀ですが、
これはただ硬いだけの鉄で造ることは出来ません。
硬い鉄を芯として、しなやかさと柔軟性を併せ持つ性質の異なる鉄を鍛接し、
内部構造を造っていくのです。

鉄や鋼には幾つもの種類があり、
硬さや摩耗性はその中に混ざった不純物の量や化合物によってそれぞれ違います。

ただ硬いだけの鉄で造っては曲がりにくいですが、直ぐ折れてしまいますし、
逆に柔らかい鉄で造っては折れにくいですが、直ぐに曲がってしまいます。

この矛盾を解決するため、日本刀は刃の部分と棟、刀身、芯材などで
大きく鉄の性質を変えるという非常に高度な職人技により、
良く斬れ折れず曲がらずを高次元で成立させています。

芯は硬く周りは柔軟性に富んだ鉄で出来ているからこそ
日本刀は折れず曲がらず良く斬れるのです。

私はこの刀の性質を知った時、これは人の心も同じなのではないかと思いました。

私は学生時代剣道部でした。
部活動では力だけが全てで芯が強いことが一番だと思っていましたが、
会社に入ってからは相手の立場で物事を考えたり、
状況に応じた臨機応変な態度をしたりと柔軟性も必要だという事を学びました。

芯が真っ直ぐで硬い人は強い意志を持った心ではありますが、
自我が強く頑固で融通が利きません。
逆に芯が柔らかい人は適応力があり、周りに合わせたりすることができますが、
周りに流されて自分の石にあまり自信が持てません。

この矛盾を解決するためには、人の心も日本刀のように
柔軟性と芯の強さを併せ持つことが大切なのではないでしょうか?

硬さを求め過ぎて意固地になっていませんか?
柔らか過ぎて周りに流されすぎていませんか?

日本刀のような心になれとは言いませんが、今一度
自分の心を見つめ直してみれば、物事の見方も変わるかもしれませんよ。






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